症例報告:慢性的に続く左首の痛み
2022.03.07
40代男性
【症状】
ここ半年ほどいつも左首に痛みを感じている。
動かせないほどの痛みではないが、とても不快である。
特に朝起きた時に痛みが強く、ほぼ毎日痛みを感じている。
【施術】
施術前に痛みの箇所を正確に判断するために、首の可動域検査を行う。
左回旋の動きよりも右回旋の動きの方が動いていない。
上を向く動きが動いていない。
下を向く動きは問題なし。
この状態から左の「胸鎖乳突筋」および「斜角筋」の過剰緊張が確認できる。
筋肉の緊張を緩和させる調整(ストレッチ・PNFテクニック・マッサージ)を行い再度可動域検査を行った。
可動域は改善し、首がかなり軽く楽になったとの感想。
画像青い所が胸鎖乳突筋
【コメント】
この患者さんは明らかに左の「胸鎖乳突筋」「斜角筋」の過剰な緊張が見られました。
「首を大きく左に向く事や首を横に倒す動作をよく行いますか?」
と質問してみると、どうやら思い当たることはないとのことでした。
しかし、何か原因があるはずと思い、朝起きた時に症状が強く出ていることから、
「夜寝る前によくしている行動はありますか?」と聞きました。
すると、布団に入ってからスマホを見ています。とのこと。
仰向け状態で左手にスマホを持って見ていると、腕が疲れてくるので、左肘を下す格好になります。
するとスマホを見るために必然的に首は左を向きながら顎を引くような状態になります。
この首の位置で30分~1時間そのままなので毎日首の筋肉を疲労させることになります。
この患者さんは「思い当たることはない」と認識していたのにもかかわらず実は自分でも気づかず問題となる行動をしてしまっていました。
その後は真横向きに寝た姿勢でスマホを見る事を指導しました。
その後3週間経過の時点で左首の痛みはほぼ消失していました。
自分でも意識していない何気ない行動の積み重ねで症状が慢性化していく事がありますので、何が原因になっているのかをしっかりと追及する事の大切さを改めて認識した事例でした。